音楽史について

西洋・日本音楽史について、学習したことを纏めて綴るというブログです。

西洋音楽史⑤ルネサンスの音楽 ブルゴーニュ、フランドル楽派

こんにちは。近松です。

ルネサンスの音楽を始めたいと思います。

 

最近ですが、左手全体が痺れてきてタイピングがきつく、ブログが書けていませんでした。

だんだんと小指から痺れが広がっていき、全体に広がっていく感じがあったのでもし脳の欠陥とかだったら怖いなと思い、脳神経内科に行ったところ、肩こりが酷すぎるためであるとわかりました。

湿布を左側に貼っていたら徐々に治りました。

検査に1万円近く払ってしまいとても痛いですが、まあ脳に何もなくてよかったなと思います。

 

ルネサンスの音楽

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ルネサンス音楽はこの前に話した、ジョン・ダンスダブルさんが3度と6度を使って書いた音楽をもとに開かれていきます。

 

ルネサンスとは一般的に「再生」や「復興」という意味があり、絵画などでは古典文化の再生という側面が大きく発展しました。

しかし音楽において、古典文化といってもしっかりとした文責が残っていないので、再生の対象が存在しておらず、再生や復興という観点で捉えることは難しいです。

音楽の場合は「再生」というより、「調和」を目指した時代といった方がいいと思います。

 

ルネサンスの音楽の特徴

ルネサンスの音楽では

①三和音の発展

②対位法の発展

が特徴的です。

 

ルネサンスの音楽は、ジョンダンスダブルさんがもたらした音程感である3度や6度を肯定的に捉えようとする動きが非常に特徴的です。

3度や6度とは、いわゆる私たちのポップス音楽で「ハモリ」に使われる音程で、現代にしては普通に綺麗な音程ですね。

 

その音程を多用したことで、3和音が発展し、和声感がより進展しました。

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3和音とは、ドとソという5度音程の中にミという3度音程を入れ込むことによってできますね。今まではドとソだけだったのに、ミも重要じゃない??ってなってきたんですね。

そして純正律という、より調和した響きを得るための音律も導き出されました。

ただこの純正律は、めちゃくちゃ綺麗だけど、曲の中で調性が変化した時(転調)にめっちゃ濁って汚くなるという性質を持っているので、後にスタンダードにはなりませんでした。

 

また、作曲の手順も、テノール声部を作ってしまってから順々に積み重ねていくという従来の作曲の順序から、全部の声部を同時並行で作るという感じに移行してきました。

これによって、声部同士のバランスがめちゃくちゃ整ってきたので、対位法が発展することにつながりました。

対位法とは、ざっくりと旋律の編み物の様なものだと認識しています。学んでみたいです。

 

それと、すごい大切なことで

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中世の教会旋法に新しく「イオニア旋法」と「エオリア旋法」が加わったのですが、これがいまの「長音階」と「短音階」に正しく当てはまるのです。当時にこれが長音階でこれが短音階だと認識されて創作されたわけではないですが、明らかに長短調の調性感がついてきています。

 

ブルゴーニュ楽派

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ノート1

さて、15世期にジョン・ダンスダブルの影響を受け、北フランスからベルギー、オランダの地方にあったブルゴーニュで活躍した音楽家が注目を浴びていきます。

それがブルゴーニュ楽派です。

初期ルネサンスを牽引していった楽派で、有名な人に「バンショワ」と「ギョーム・デュファイ」がいました。

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左がデュファイ、右がバンショワ

中でも、ギョーム・デュファイは活動範囲をイタリアにまで広げ、シャンソンやモテット、ミサ曲などあらゆるジャンルの音楽を書きました。そのなかで4声部書法が確立していきました。

めちゃくちゃルネサンスの初期において重要な人といろんなウェブサイトにありました。ルネサンスのバッハと言われているそうです。バッハよりうん百年と先輩なんですけどね。


Dufay: Missa Se la face ay pale - Kyrie

 

フランドル楽派

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ノート2

そして15世紀の後半になるとブルゴーニュ公の力が衰退していくのとともに、次に公領になったフランドル地方で音楽家が多く輩出される様になります。

 

それがフランドル楽派です。

 

フランドル楽派が凄かったのは、聖歌隊員への教育が行き渡っていて、優れた音楽家を育てるシステムが整っていたところです。そしてそこから輩出された音楽家たちが、ルネサンスの一番盛り上がった時代を主導していきました。

 

有名な作曲家に「ヨハネス・オケゲム」さんと「ジョスカン・デ・プレ」さんがいます。

ヨハネス・オケゲムさんは優れたミサ曲をたくさん残し、その一部でカノン技法と呼ばれた作曲技法で音楽を作ることもやりました。

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ジョスカン・デ・プレ

ジョスカン・デ・プレさんですが、この時期に隆盛を極めたミケランジェロと同様に、天才だ!!!と言われていました。有名なところで、宗教改革をやったルターさんから褒めちぎられました。

ジョスカンは音符の主である。他の作曲家は音符の指図に従うが、ジョスカンの場合は、音符が彼の望み通りに表現しなければならない」

と言ったそうです。本当に褒めちぎられてますね。

宗教曲も世俗的な曲もどちらも作成しました。


Josquin - El Grillo (score + audio + lyrics)


ジョスカン・デ・プレ 「アヴェ・マリア」 タリス・スコラーズ Josquin Des Prez: Ave Maria

ジョスカンさんの功績として、「通模倣様式」という作曲の様式を確立させました。同じ楽句を歌いながら模倣的にずらしていくという感じの作曲法で、後の作曲家が多く用いました。

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通模倣様式の例

こんな感じです。追いかけていますね。

 

楽譜の印刷・出版

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もう一つルネサンスの時代に重要な要素がありました。それは活版印刷の技術が大きく進み、楽譜を印刷できる様になったことです。

それまでの楽譜は一つひとつ手書きで書き写されたものであったために、非常に高価なものであり、一般の人が手にできる様なことは滅多になかったそうです。しかし、楽譜が印刷される様になってから、決して安価ではないにしろ、一般の人にも楽譜が届く様になりました。

 

そして、コピーをするので、手書きでの書き間違いなどの心配がなく、音楽が同じ形で広く流布する様になりました。

 

現在では当たり前のことですが、当時にしたらすごい技術革新だったんでしょうね。

 

そして思うのは、普段から私たちはストリーミングやCDで絶えず音楽を耳にしていますが、この時代は音楽自体が貴重なものですし楽譜もないですしという感じで、、どうやって音楽を勉強・制作していったのかが気になるところです。

 

一つの音楽を渇望して、いちど一度聴いたらそれを脳裏に焼き付け、

楽譜も丁寧に書き写して、一つの貴重な楽譜から見えるあらゆる可能性を絞り出したかと思うと

音楽に対する欲や熱が強い様な気がしてきました。

 

 

ルネサンスの音楽はまだ続きます。

次回はその後のルネサンス音楽バロックの始まりまでを学習しようと思います。

 

ありがとうございました!