音楽史について

西洋・日本音楽史について、学習したことを纏めて綴るというブログです。

西洋音楽史②古代ギリシア

古代ギリシアの音楽

こんにちは。近松です。

今日で一旦バイトに行くのを止めることにしました。ご飯も外には出ないで、買ってきた野菜で自炊をしています。外には出れませんが気持ちを明るく持ちたいですね。

 

さて、本日は古代ギリシアの音楽について触れていこうと思います。

f:id:chikamatsu8410:20200428153631j:plain

音楽史 ノート

ムーシケー概念

古代ギリシアの音楽を考える際には、「ムーシケー概念」というものから考えないといけません。自分も調べててよく分かんなかったですが、学んだことを述べます。上の画像は自分のノートです。

今私たちが音楽という意味で使っている言葉の「music」は、
ギリシャ語の「ムーシケー(μουσικη)」という言葉を語源にしています。ドイツ語のMusik、イタリア語のmusicaなどもそうです。

 

昔は音楽は音だけを指していた言葉ではなくて、音も詩も舞踊も全てを含めた言葉として「音楽(μουσικη」という言葉を使っていました。その音楽の包括な概念として、ムーシケー概念と言われています。広い意味では9人のムーサイ(古代の女神たち)が司る文芸全般のことを言うそう。

f:id:chikamatsu8410:20200428164631p:plain

9人のムーサイ

 

例えば、今は詩人として伝えられることが多いというピンダロスさんは、4つの競技勝利歌を作りました。これはただの歌(叙情詩)ではなく、詩とともに音楽も舞踊の振り付けもある作品で、全てピンダロスさんが自分で作ったそうです。

 

そうした包括的概念のムーシケー概念でしたが、後々には音楽の側面が重視されるようになり、ムーシケー概念から音楽が独立しました。プラトンという人は、音楽は三者が揃ってこそなんやでって必死に言っていましたが、その後もますます詩と舞踊の要素が抜けてきて、音楽が音の芸術としてだけの意味になっていったそうです。

 

そうしてギリシアではスパルタという都市が音楽の中心地となり、様々な音楽家を輩出しました。テルパンドロスとタレタスが有名です。テルパンさんはリラという弦楽器を発展させ、タレタスさんは音楽で少年たちを訓練するという音楽教育を行いました。また、この頃アウロスという管楽器が定着しました。

f:id:chikamatsu8410:20200428160444j:plain

左右がリラ

劇音楽の発展

f:id:chikamatsu8410:20200428160624j:plain

音楽史 ノート2

そこから劇音楽が発展を始めました。前5世紀に文芸の中心がアテネに移り、そこから悲劇や喜劇が始まっていきます。その劇音楽はコンクール形式で共演されたそう。

前5世紀というと、日本はまだ縄文時代です。縄文時代の時にギリシャではコンクールとかやってるんですから、同じ地球上でもこんなに文化の発展の度合いが違うんですね。

 

有名な劇音楽の作曲者は、アイスキュロスソフォクレスエウリピデスさんです。

形式

悲劇の最も発達した形式は、
最初に序奏(プロロゴス)が始まり、次に合唱団(コロス)が出てきて入場の歌を歌い、会話部分と合唱の歌と踊りが繰り返されて、最後に終章(エクソドス)で終わる。

というものです。形式を重んじる所に、西洋音楽の源流を感じます。

人数

最初は主となる役者は一人でしたが、2人、3人と一人ずつ増えて、3人で落ち着きました。合唱団のコロスは12〜15人だったそうです。

場所

f:id:chikamatsu8410:20200428162858j:plain

テアトロン

ここで、現在の「オーケストラ」の語源となる物が出てきます!

劇音楽のステージとして、山の斜面を利用した野外劇場が作られ、ここで音楽が演奏されるようになっていきました。

半円状の観客席をテアトロンといい、中心の円形舞踏場のことをオルケストラと言います。このオルケストラが現在のオーケストラの語源になりました。

後ろにはスケネと呼ばれる楽屋があり、そこで衣装チェンジなども行われていたそうです。

 

ギリシア音組

f:id:chikamatsu8410:20200428171109j:plain

古代ギリシアの7つの音階

古代ギリシア音楽理論に少しだけ触れたいと思います。

まず特徴的なのは、古代ギリシアで使われていた音階は、なぜか下降形であると言うこと、これについてはなぜかはわかりませんでした。。

ミクソリュディア、リュディア、フリュギア、ドリス、ヒュポリュディア、ヒュポフリギア、ヒュポドリスと言う七つの音階があります。

これは後に出てくる、中世の教会旋法に名前は似ていますが、違う物です。

また、この時代はまだ記譜法が確立していないために、文字に音をはめて、音楽を残していました。

 

 

まだまだありますがこんな感じです!

この辺の音楽は、遺跡で出てきた断片的な情報をもとに分かったことなので、音として再現が難しく聴けないのが少々残念ですね。

ただ、リラなどの楽器の音色はYouTubeで聴けるので、面白いです。


Yerko Fuenzalida Lorca 太古の楽器、リラ

 

次は中世の音楽についてやろうと思います。

よろしくお願いします。